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高圧下での磁化測定 Magnetic

Measurements under High Pressure

 

上床 美也

Yoshiya UWATOKO

 

 

 

Magnetism is participating in various interest physical properties. The pressure is one of the most

important physical parameters. In this paper, the piston cylinder type high-pressure apparatuses

and cell materials for the magnetization measurements are reviewed. Furthermore some

experimental results are given briefly.

[Magnetization, Magnetic susceptibility, Piston cylinder, Be-Cu alloy, Cu-Ti alloy, MP35N alloy,

NiCrAl alloy] 

 

 


 物性研究における磁化測定は重要な研究手段の一つである。日本の磁性研究には歴史がありこれまで多くの研究者によって研究が行われてきた分野である。このような磁化測定は,磁性研究における最も重要な測定手段の一つであると考えられる。したがって,磁化測定は磁性研究者固有の個性を持った研究装置で行われ,磁性研究の中心を担ってきた。しかし,約10年ほど前,アメリカのカンタムデザイン社から発売された磁化測定装置,Magnetic Properties Measurement System (MPMS)は,10-6 emu程度の測定分解能を有し,これまでの装置に比べ飛躍的な精度の向上をもたらした。と同時にコンピューターによるプログラミング測定は測定の自動化をもたらし,良くも悪くもブラックボックス化した物性測定装置の始まりであった。

 一方,近年,2 GPa以下程度の圧力はピストンシリンダー型の高圧発生装置を用いることにより,一般の研究室レベルで発生できるようになり,高圧下での物性研究が盛んに行われ,圧力(p)の重要性が再認識されてきている。これらの高圧下での物性研究は電気抵抗をはじめとする輸送現象の研究が主であり,磁化,比熱などの測定は手軽に出来るとは言いがたい。これは,磁化や比熱の測定が圧力容器と試料の両方の物理量が同時に測定(検出)されるため,

試料のみの物理量として測定量から容易に分離できないことにある。しかし,磁化や比熱測定の重要性は古くから認識されており,物質の磁性,磁気構造等の決定にはなくてはならない測定のひとつである。

 本稿では磁化測定に着目し,これまで行われて来たピストンシリンダー型圧力発生装置を用いた高圧下での磁化測定方法を概観する。

 

 

 

 

日本高圧力学会 [2001年7月16日受理]

 

 



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